#52 住宅性能を見極める“数値”
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これまでも「家の性能」について
#20気密の話 #4建物とエネルギーなど
このブログシリーズの中でも様々な話題の中で
お伝えしてきましたが
今回は、性能を表す『数値』をクローズアップします。
基本の知識だけでも理解していれば、
営業マンのセールストークにも「あれ、おかしいかも?」と
気づけるようになります。
そもそも「あれ?」と思うような
説明をする会社は『要注意!』ですね。
快適さや家族の健康にも影響する住宅の性能
納得できる家を手に入れるためにも、
知っておくと安心です。
性能を示す4つの数値 Q値、Ua値、C値、ηA値
これまで意識したことはありますか?
それぞれ「断熱性能」「気密」「日射の影響」
を示す数値です。
■「断熱性能」を見る数値 Q値・Ua値
Q値(キューチ)=熱損失係数
家の中から熱が逃げる量(熱損失量)を、延べ床面積で割った値。
Ua値(ユーエーチ)=外皮平均熱貫流率。
換気の熱損失を除いた熱損失量を、
床・壁・天井・開口部の面積の合計で割った値。
Q値とUa値は、どちらも住宅の断熱性能を示す数値です。
数字が小さい方が「性能がよい」ということになります。
どちらも「断熱性能」を計る数値ですが
異なる点は大きく2つです。
・熱損失量に換気を含むかどうか。
Q値は換気による熱損失も含んだ計算になっているのに対し、
Ua値は除いています。
・延べ床面積だけで割るのか、
床・壁・天井・開口部の合計で割るか。
Q値は延べ床面積だけで割るため、同じ条件で建てた家でも
延べ床面積が広いと値が小さくなり、性能が高く評価されてしまいます。
一方、Ua値では、壁や天井、窓などの開口部もすべて含めた
数値なのでより公平な評価が期待できます。
※2013年からはQ値に代わってUa値が省エネルギー基準を
達成しているかどうかの基準となりました。
住宅の性能を検討する際は、Ua値で比較するのがおすすめです。
■「気密性」を見る数値 C値
C値(シーチ)=相当すきま面積。
どれくらい家にすき間があるのかを数値で表したものです。
Ua値と合わせて住宅の性能を表す、重要な指標となります。
数字が少ないほど、すき間が少なく気密性能が高いことを表します。
家にとって、すき間が多いということは
「寒い日に穴の空いた高級ダウンジャケットを着ている」
ような状態ということです。
また、計算で算出できるQ値やUa値とは違い
C値は、実際に建てられた建物で、
「気密測定」用の機械を使って計測します。
ですので
職人の技量など施工側の技術力や指導力、経験値などに
左右されることから、
業者の家づくりに対する姿勢も表れます。
住宅会社を検討する際には、
気密測定の実施に有無など
C値について確認してみるといいでしょう。
■日射の影響を見る数値 ηA値
ηA値(イータエーチ)=平均日射熱取得率。
家がどれだけ日射熱の影響を受けるかを示す数値です。
ηA値は窓や外壁、屋根などからの日射熱を、
建物の外皮面積(外壁、屋根、床などの表面積)で割った数値です。
ηAC値は冷房期、
ηAH値は暖房期における平均日射熱取得率を表します。
ηAC値が高いと、夏に太陽光の影響を受け、
家の中が暑くなりやすいことを表します。
逆にηAC値が低ければ、夏の冷房効率が高いことを表します。
Q値、Ua値、C値、ηA値 すべてに共通するのは
「数値が小さいほど温熱性能に優れている」ことです。
基準値や福岡県においての数値などについては
次回のブログでご紹介していきます。