#39 「家をさらに強くするコツ」と換気の関係
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2回目の緊急事態宣言、福岡もやっと解除になりましたね。
寒い時期に感染が拡大していることを考えると、
やはり換気は重要なポイントになっているようです。
テレビなどでも、感染症の専門家の方が
換気の重要性についてよく話されていますし。
今後の感染対策として
飲食店などでは、室内の二酸化炭素濃度に注目して
感染対策の仕組みづくりをしていくいう話もあるようです。
今回のタイトルは「家をさらに強くするコツ」
換気対策とどんな関係があるの??
と思われますよね!
まずは、基本的な換気のお話から。。。
換気といえば・・・
高機密高断熱仕様の住宅にも重要なポイントです。
気密のことについては#20でもお話しましたが
気密が高いと、息苦しいとか、ウィルスが蔓延するといった、
ネガティブなイメージを持たれる方もいるようですが、
そうではありません!!
気密が高いということは、
「換気をコントロール出来る」ということです。
風まかせ、窓を開けておくだけ・・・の換気とは違い、
「機械で風量をコントロール」出来るのです。
現在は、新築住宅を建てる場合、
建築基準法により(2003年に義務化)
2時間で家の中の空気が全て入れ替わる換気計画が必要になっています。
換気の方法は、第1種~第3種の3つに種類が分けられます。
通常よく使われるのは第3種で、次に多いのは第1種。
(一般の住宅で第2種はほとんど使われないので、1と3を覚えておけば大丈夫です)
この中でもお勧めは「第1種換気」です。
給気も排気(※)も機械で風量をコントロールしながら行います。
※給気:室内にきれいな空気を入れること
※排気:室内の汚れた空気を外に出すこと
そして、第1種換気ならではの特徴の一つが
「熱交換型換気システム」というものです。
これは、空気を入れ替える際に、
熱を移して「ほぼ室温のキレイな空気を取り込む」という優れもの!
※「熱を移す」というのは
例えば寒い冬であれば、室内の暖かい空気から熱を回収してから排気し、
外からの新鮮な空気はその回収した熱で暖めてから室内に取り入れ、
熱(温度)を交換しながら換気を行うので、外気に室温が左右されないのです。
(夏は逆のことが行われます)
このように
新鮮な空気がほぼ室温で入ってきますから、
エアコンはちょっとだけ温度調節するだけで良くなります。
光熱費がさらに抑えられるので
高気密・高断熱といった性能にプラスされて
更なる省エネにつながるのです。
また、吸気の際に、PM2.5や花粉などを99%近く除去してくれる
機能も付いていますので、
アレルギーをお持ちの方には
非常にうれしいポイントかなと思います。
高機密高断熱仕様の住宅には、
これからは必須アイテムになってくるでしょう。
長くなりましたが
ここからが、「家を強くする」ことと換気の関係です。
この第1種熱交換換気で、床下の空間を利用するものがあります。
実はこのタイプの製品は、更にすごい特徴があるんです。
床下の空間に新鮮な空気を放出する方式なのですが、
その結果、土台や大引、束などの木材が乾燥し、
木材の含水率が10%前後(それ以下)になるのです。
以前にも#19 で木と長持ちする家の回でも説明しましたが
木材は、水分含有率が低い方が強度が上がるので
どんどん木の強度が上がって建物自体が強くなっていくのです。
しっかりした家を作って、
良い換気システムを採用することで、
家にも人にもそして地球環境にも良い影響し
サスティナブルにも繋がる・・・
家づくりって、奥が深いですね。