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#19 建材としての「木」の側面から「長持ちする家」について考えてみましょう!

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今回は、「木」の置かれている現状と「長持ちする家」
関係性についてお話してみようと思います。

戸建て住宅の資産価値を査定する場合、
ある程度古くなった戸建て住宅は「土地代=資産価値」
になっているのが現状です。

現在は、住宅ローンは35年なのに築30年の家に価値が無い・・・という状況を多くの方が抱えています。
ですので、ローンが終わったころには建て替えようか?と悩む人も少なくはないと思います。

戸建て住宅の多くは、主に「木」という資源を使って建築していきます。

柱や梁、桁に土台など、住宅を建てるために使う木は、
最低でも60年ほどの年月をかけてまっすぐに育てなければいけません。

育てるのに60年かかる「木」
30年そこそこでスクラップにされる「家」
採算が合いませんよね。

資源(木)が足りなくなるのも当然のことです。
そこで近年「長持ちする家」を建てることを国が推奨しています。

「長持ちする家」のポイントは3つ。

(1) 耐震性の向上
   前回お話した耐震等級3を推奨したり、減税やローンの優遇もあります。
   地震にも耐える家は、長持ちするということはもちろん、
   いざという時にシェルターになって、家族の命を守り、ご近所の避難場所
にもなってくれます。

(2) 断熱性の向上
   熱性能の高い家は、ヒートショックや省エネなど健康面や経済面で
メリットが大きく
窓の結露対策も関係しています。

(3) 気密性の向上
  壁内に湿り気があると、壁内結露の原因や、シロアリを住みやすくする
可能性があり
建物の劣化に繋がります。
  木は乾燥した状態が良く、気密性が高いことは建物の強度に影響します。

その他、地面からの防湿等も大切になりますが、
この3つが分かりやすい必須ポイントです。

また、⑵と⑶の断熱性と気密性はセットで「長持ち」に繋がる
大きな成果を上げてくれます。

断熱性と気密性、この両方が高いと、構造体が乾燥した状態を保ちやすく、強度が落ちにくくなります。
木は含水率が低いほど強度が上がりるからです。

私が設計した住宅を測定したことがありますが、
現場に運ばれたときは約20%前後の含水率だった土台が、
竣工6ケ月後に測定したところ、10%を切るほどでした。
そうなると曲げ強度や引張強度などが倍近くになることが分かっています。

逆に、断熱性と気密性が低い場合、どうなるかというと・・・
寒い時期は外壁の外側近くで壁内結露を起こし、夏は室内に近いところで壁内結露を起こします。
実は、目に見えないところで結露が発生しているのです。

日経ホームビルダーより

壁内結露は経年で木を腐らせたりし、地震の時などに耐えられないことも実際に起こっています。
建物自体の耐久性を落としていくわけです

性能が高いということは、やはり、それなりの価値と結果をもたらすと言えます。
また、住まい手に健康や経済的なメリットを与えてくれるだけでなく、環境資源保護にも貢献していることにもなるのです。

もちろん、60年~70年以上、状態によっては100年以上住めるわけですから、次世代に譲れる大切な資産にもなってくれます。

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