#79 自然の力 “パッシブデザイン”のお話 その1
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私たちが掲げている3つの設計コンセプトのひとつでもある
「自然の力・パッシブデザイン」
今回はこのパッシブデザインについてお話していきます。
環境先進国「ドイツ」発祥の
「パッシブハウス」と「パッシブデザイン」
1991年にドイツの物理学者・ファイスト博士が初めて提唱した
最小限のエネルギーと自然エネルギーを生かし快適な住宅を作るという
「パッシブハウス」という理念がベースになっています。
「パッシブハウス」と言えるにはとても高い基準が定められていて、
認定を受けた材料を使い、さらに認定された建築診断士によって設計監理されたもの
など、正式な「パッシブハウス」と認定される住宅は、
実は日本国内ではひと握り。
これでは限られたものになってしまいますよね。
そこで、そこまで厳格ではなく柔軟に
けれど、基本理念はしっかり取り入れた建築デザインが
「パッシブデザイン」です。
直訳では「パッシブ(Passive)」=「受動性の、受身な、消極的な」
すなわち「受身なデザイン」という意味になります。
反対語は「アクティブ」=「活動的、積極的、能動的」です。
建物(住宅)の側面、建物の中での暮らすための方法で考えると
「パッシブ」=受動的にそこにあるもの・与えられたものを利用する
太陽エネルギー(熱・光)や風などを活用する
「アクティブ」=積極的に環境(温熱環境)を設備によって整える
ストーブ・エアコンなどの
エネルギー(電気)での暖房・冷房コントロール
すなわち、パッシブ(受け身)に定義される住宅とは
機械的な手法によらず、建築的に自然エネルギーをコントロール(利用)して
建物の温熱環境を整え、小さなエネルギーで快適で安全な居住空間を作るための
手法ということなのです。
近年の地球環境、エネルギー問題は
さまざまな側面から世界的な流れは大きく脱炭素化に向けて進んでいます。
私たちの生活の中でも脱プラスチック、家電の省エネ化をはじめ
行動や思考の変化、切替が始まり常識も変わってきていますよね。
住宅業界においても同じく「高性能化」へ向けた政策や法整備など
より一層の大きな変化が始まっています。
十数年前には、取り入れている住宅会社は限られたほんの一部でしたが
現在は、ネット検索しても多くの情報がヒットするようになりました。
“小さなエネルギーで快適に暮らす”パッシブデザインは
これからますます必要な要素だと考えます。
次回のブログでは
パッシブデザインの要素などを説明していきます。