#38 庇(ひさし)と陽☀の入り
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今回は「庇(ひさし)」についてのお話しです。
私は仕事柄、移動中などでも、
街並みや家の外観など、注意してよく見ますが
最近の住宅は外観デザインのテイストに関係なく、
小さな窓に「庇」がついてないケースが多く見受けられます。
大きな掃き出し窓でも「庇」が無いケースもあります。
昔の家は小さな窓の上にも必ずついていた「庇」
最近の家に庇が無い理由、私の予想ですが・・・
・サッシの防水性能が格段に上がったこと
・サイディング(外壁)の防水機能・防水の施工法も併せて向上した
技術的の向上で防水性能が上がったからかなと思います。
昔のサッシや外壁廻りの施工は
防水性能も低かったため、
「庇」を付けることで、直接雨がサッシに流れ込んだり、
流れ込む雨の量を抑える効果を狙ったのではないかと考えられます。
一方で「庇」の重要性が見直されている側面もあります。
それは「日射」🌞
家の中に入ってくる太陽光に関係します。
「庇」を設置することによって、
夏の冷房期には、日差しを遮り、
室内の温度上昇を抑える効果があります。
庇が有るか無いかで
室内温度がだいぶ違ってくるため。
省エネや室内の快適性に大きく影響するのです。
特に南向きの窓には適切な「庇」が必須となります。
この庇の出寸法、
私は窓の下から庇までの長さの30パーセントを目安に設計します。
これは、冬に陽が窓から差し込んでくれることを考えてのことです。
要は、自然のエネルギーを活用して、
室内の温熱環境をより良くしようということなんです。
西や東向きの窓の場合、
時間帯によっては、真横から日が差してきます。
これは庇では遮ることが出来ないため、
外部ブラインドや室内のカーテン・ブラインドなどを用いて対策します。
その他、外構工事で落葉樹を植えるというテクニックもあります。
北側の窓に関しては、
あまり日射についてイメージがないかもしれませんが、
実は、夏至に近い時期は朝と夕方に陽が差してきます☀!
この場合も、どちらかというを横から差してきますので、
庇とは別に、横からの陽を遮る工夫で快適な室内環境に導きます。
窓の方角や季節によって、日差しの入り方が違います。
家の向きなどによって、窓の位置も変わりますから、
それぞれに対策を考え設計することが大切です。
現在では、設計用のソフトなどで
建物の向きに合わせた、季節ごとの陽☀の入り方が
かなりり正確にシュミレーションできるようになっています。
新築を計画する際に「日射」まできちんと考えると、
将来もずっと快適な室内空間をつくることができます。
設計士さんに早めに相談して居心地のいい住まいを目指しましょう!
タイミングは「確認申請をする前」までに!ですのでお忘れなく。