#26 地鎮祭のこと
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新築住宅を建てるにあたって、大きな節目の一つでもあるのが「地鎮祭」
仕事柄、地鎮祭には毎回立会わせていただいていますが、
これから現実に始まる家づくりを想い、
ワクワクそして心新たにさせてくれる、清々しい儀式です。
地鎮祭を行う由縁から説明すると・・・
「とこしずめのまつり」ともいい、その土地の神様(氏神)を鎮め、
土地の利用の許しを得る儀式と伝えられていて
工事を始める前に安全を祈る大切な安全祈願でもあります。
家の新築は、一生に一度、あるかないかの大きなイベントです。
幾久しく末永く住める所になるように
その土地の神様に「よろしくお願いします」とご挨拶をします。
最近では地鎮祭を執り行わない施主さんも増えているという話を聞きますが
やはり、建築に携わるものとしては、大切にしたいと思います。
では、地鎮祭を執り行うタイミングですが・・・
建物の形状と配置の決定が必要になるので
設計完了後、確認申請の前後というところが多いです。
さらに、日程に余裕があれば、大安、建築吉日などの良い日を選びます。
※確認申請=新築工事の着工前に行うもので、建築確認申請により建築関係法規の基準に適合しているかどうかについて確認を受け「確認済証」を取得すること
さらに、地鎮祭には神社の神主さまが行う「神式」
とお寺のお坊さまが行う「仏式」があります。
神式の場合 → その土地の神様(氏神様)にお祈りをする
仏式の場合 → その土地の神様(氏神様)とご先祖様にお祈りをする
一般的には、神社の神主さまが行う「神式」が大多数です。
もともと日本の建築は仏教と共に大陸から渡ってきたのですが、
日本には仏教より古くから存在する八百万の神様に祈ることが
習慣となったようです。
この2つの違いについて私が気が付いた点をあげると、
①神式は4本の竹(笹)を立て、縄を張った中に祭壇を構え、縄をくぐって玉串を奉納したり、お祈りをします。
仏式は、4本の竹(笹)を立て、縄を張るとこまでは神式と一緒ですが、祭壇は縄を張った場所の手前に構えます。
縄を張った場所の中心には砂を盛り、お施主様が鍬入れをします。
②神式は土地の四方の角と祭壇の北側を塩と酒で清めますが
仏式は立てた竹(笹)の根本と盛った砂を水で清めます。
これは清らかな水で土地を清めるとのことです。
③神式は地鎮祭の最後にお札をいただき、上棟の際に「棟木」にお札を飾ります。
仏式は五色という吹き流しをいただき、同じく上棟の際に「棟木」に飾ります。
お供え物などは大体、どちらも同じようですが、宗派や神社により違いがあるそうです。
個人的な感想ですが、
仏式は、仏教五色といって
「如来の精神や智慧を5つの色で表す。青・黄・赤・白・黒が基本」
の吹き流しが映えて少し華やかなイメージ、
神式は、より清々とした厳かなイメージがします。
次に、地鎮祭の準備についてですが・・・
地鎮祭の際には、お施主さまに準備をしていただくものも一部あります。
・奉献酒
・初穂料
・お供え物
これも宗派や神社で違いがあるので、依頼先の和尚さんや神主さんに
聞いてみてください。
お供え物は、神主さんや和尚さんが準備してくださることも多いです。
ハウスメーカーさんによっては、ある程度準備してくれるところもあるようです。
準備は大変かもしれませんが、
住宅会社のスタッフは各々が各々の役割・責任を全うし、
いい仕事をすることを誓い
お施主様におかれては、
家族との新しい幸せな生活と家長の責任を心新たに誓う。
皆が前を向き身を引き締めて心ひとつになるとてもいい時間だと思います。
面倒だなぁ、時代がねぇ・・・という考え方もあると思いますが
「地鎮祭」も家づくりの大切な一コマと考えて
いだだけると嬉しいなと思います。