#24 18年が経過した高性能住宅・・・・・。
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今回は、先日の私の体験をお伝えします。
先日、「中古住宅の購入」を検討されているお客様から
ご相談を受けました。
購入を検討されている中古住宅(戸建)は築18年の物件で
リフォームと床下エアコンの設置を検討されているということでした。
※床下エアコン=床下にエアコンの温風を直接吹き込み、上床下全体の空気の温度を上げ、
暖められた空気の上昇気流を利用し、1F~2Fまで室内空間全体を温める方法
家の性能についてとても知識の多い方で、床下エアコンを導入についても、
「この建物が基礎断熱をしているから、床下の空間に暖気や冷気を送り込み、家全体の空調をすればいいのでは・・・?」
と考えて私のところに相談に来られたということでした。
実際に図面を拝見してみると・・・
確かに基礎の内側に断熱が施されていました。
その他にも色々と調べてみると、
桁上断熱であったり、当時では珍しい樹脂とアルミの複合サッシが使われていてガラスもペアガラスでした。
実際にその家の調査で家の中に入った際にも
家の中はカラッとしていました。
北側の洗面所やお風呂も、カビ臭さなど一切ありません。
ほとんどの中古住宅は通常、
北側の水回りや押入や床下をのぞくと、カビのにおいがするものですが、
その家は全く感じませんでした。
床下もカラッと乾いています。
図面どおり、基礎断熱が施されていて、
基礎と土台の間のパッキンを気密型にしているようです。
サッシのガラスの縁を見てみると、微妙な結露の跡(カビの跡)はありましたが、
極少ない結露だったと思われ、とてもきれいでした。
18年も前にこの仕様とは・・・・。
設計士の方、住宅会社の方、かなり勉強されていたと思われます。
・重力換気がしやすいような間取り、
・吹き抜けの位置、
・北側に階段を設けて上部に窓を設置
とても素晴らしいと感じました。
多少、床などの表面的な痛みはありましたが、建物自体は非常に健康体で
ZEH(ゼッチ=ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準に近いくらいの断熱性能ではないかと思います。
「性能が良い家は年数が経つと、こういう状態になるのか」と
改めて感心しました。
結果として、私は
「特に大きな修繕というリフォームは必要なし!」という判断をお伝えし、
●床下エアコンを設置する場所と、
●熱交換換気による換気と空気の循環をセットにすること、
●夏用のエアコンを階段の吹き抜けの上に設置すること
主にこの3点をアドバイスさせていただきました。
ご相談者さんもこの結果に、とても安心されていたご様子でした。
今回ご相談いただいたおかげで私は、
建物内のあちらこちらの状態から
ずっと快適に暮らせるということを垣間見ることができ、
高性能住宅はやはり年数が経っても、性能も高く維持され、建物の傷みも少ない、
しっかり長持ちしているという結果を見せていただくことができました。
前回の#23 エアコンの話の時にも少しお話しましたが、
現在、住宅を検討中の方は是非、
住宅会社の方へ「UA値はどのくらいですか?」と確認してみてください。
九州なら0.6kwh/㎡以下が望ましいです。
そして日射遮蔽などを考えた設計も大切です。
住宅は大切な財産、資産ですので、
ご購入される際にはしっかり検討やプロのアドバイスを受けて
良い住まいを手に入れていただけると嬉しいです。