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#22 建物のバランス

理想の家づくりのためのお役立ち情報として
なるべくわかりやすく、かつ専門的に
プロの視点から様々な情報をお伝えしている#シリーズです。

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今回のテーマは「建物のバランス」のお話です。

私は、木造住宅を計画する上で、建物のバランスを非常に大切にしています。
建物のバランスといっても、色々なバランスがありますが、
私はデザイン面のバランスを取るのが得意で、
いろいろと細かく設計担当にリクエストをします。

部材の大きさ、設置する高さ、色、材質、照明器具の配置から
デザインまで、ディテールに至るまで見た目に関してはかなり細かく注文していきます。

実は、このような見た目以上に大切なのが
「建物の物理的なバランスです。

設計者は設計時に「剛心」「重心」を確認しながら作業を進めていきます。

「剛心」は建物の強さの中心
「重心」は建物の重さの中心

と考えてください。

専門的な話で難しくなるのでここでは詳しい説明は割愛しますが、
建物の耐震性や強度にとって大切なことなのです。

筋交や剛床の配置によって「剛心」「重心」それぞれを
建物の中心に近くなるように設計していきます。

先日、実際に私が体験したお話なのですが・・・

ある完成物件のメンテナンスに立ち会う機会がありました。
サッシの調整やコンクリート土間のひび割れについて相談を受けたので、その物件に同行しました。

その物件の特徴は、
一階がほぼ大きな1間で、床は土間
 二階が生活の場で、LDKも水回りも居室も二階

見た瞬間に、
“一階のサッシの不具合が多いのでは?”
と思い訊ねてみると、
“正にその通り” だったのです。。

土間のひびも、建物の中心の柱付近だろう!
と予想して見てみると、
やはりそこにひびが入っていました。。。

そのひびは幸い表面上のものだったので、簡単な補修で済みましたが・・。

購入した方の気持ちになると
「ひび割れが表面上のものかどうか、調べてもらわないと不安・・・
住み続けていくうちに、深くなったり大きくなったらどうしよう?」
というような不安が沸いてきて当然のことだと思います。

その家を建てた会社の方に聞いてみると、
設計については、お客様からの要望が多く、
かなりの回数、プランを書き換え、たくさんの要望を取り入れた結果、
この間取りプランに落ち着いた
との事でした。
そして、完成後は、様々な不具合が発生して、
何度も何度もサッシや玄関ドア、サイディングの隙間埋めをしているとのこと。

実はココ⤴⤴⤴にこの話の重大なポイントがあります!

「剛心」「重心」について考えてみれば、こういったことが起こるのは当然。
プロなら容易にわからなくてはいけないことです。

二階建ての建物の一階に壁が少なく、二階に部屋が多い場合は、当然壁も多くなりますから、
一口で言うと“頭でっかち”というイメージです。

人間に例えると下半身が弱いので、
建物が微妙に歪み
●サッシやドア(建具)などの建付けが悪くなりやすく
●頻繁に調整が必要になる
ということです。

コンクリート土間に柱が直接固定されていると、そこからヒビが入りやすいということもあり得ます。

バランスが悪いと、耐震性にも影響しますし、
建物が完成してしまってからでは補強するのも
大変になります!!!

今回のこの物件も、耐震等級は1から良くて2程度ではないかと思われます。

お客様の要望を優先した結果、今回のような建物の物理的なバランスが取れない間取りになってしまうこともあるでしょう。
できることなら、避けたいことですが、もしやむを得ずこのような場合になる際には、施主様へ事前の説明をしておく必要を改めて感じました。

また、設計士は、お客様の要望をできるだけ取り入れるというスタンスだけではなく、
お客様が建物、自分の家について、もっと多角的に考え選択できるように
プロとしてきっちりアドバイスを行うことも大切な事だと私は考えます。

今から家づくりを始められる方、既に住宅を計画中の方には、
間取りの希望も良いですが、プロの意見を上手に取り入れて
賢い家づくりをしていただきたいと思います。

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