#7 耐震等級の考え方
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今回のテーマは「耐震等級」のことについて。
熊本地震の後、質問されることがとても増えました。
これから家を建てることを考えれば、本当に切実な問題です。
耐震等級には3つの等級があります。
●耐震等級1 ・数百年に一度程度の地震(震度6強か7程度)でも倒壊や崩壊しない
・数十年に一度発生する地震(震度5程度)で住宅が損傷しない程度
※建築基準法の耐震性能を満たす水準
●耐震等級2 ・耐震等級1で想定される1.25倍の地震にも耐えられる
●耐震等級3 ・耐震等級1で想定される1.5倍の地震にも耐えられる
等級3が一番強い(優れている)ということです。
住宅を建築する際、まず「確認申請」で建築する許可をもらいます。
ここで審査が通っていれば全て大丈夫だと思われがちですが
この段階では“構造”については審査されていないのです。
建物の強度に直結する“構造”を審査しないという背景には
4号建築物(一定規模程度の木造住宅)特有の
「4号特例」という特例があります。
これは、一般の住宅の場合、
「木造住宅程度なら建築士さんにお任せしますので、しっかりと設計監理してくださいね。」
といった特例が適用されるのです。
そして、その場合「耐震等級3相当」と表現されているのです。
熊本地震で、耐震等級3以外の建物に倒壊・崩壊が多いというのは
この「4号特例」が関係していると考えられています。
新築を検討されている方は、住宅会社に行くと
「うちの会社の建物は耐震等級3ですよ!」といったPRをされませんか?
もはや日本中、いつ、そこそこ大きな規模の地震が来てもおかしく時代です。
家は大切な財産ですし、家族の安全を考えるとしっかりチェックしておきたいポイントです。
一生に一度といわれるほどの大きな買い物であるマイホーム
本当にちゃんと耐震できるかどうかを調べるには、
「構造計算」や「簡易計算」をして証明するしかありません。
住宅会社や設計事務所によっては、
「自社でしっかりやってます」というところもあれば、
「第三者による構造計算をしています」というところもあります。
中には「えっと~、うちは耐震等級3程度」という感じでお茶を濁しているところもあるようです。
少し時間とコストがかかりますが「第三者による構造計算」
という選択肢もあるということを頭において
しっかり説明や根拠を示してくれる住宅会社や設計事務所、工務店を
選んではいかがでしょうか?