#2「ZEH」について
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今回のテーマは「ZEH」
難しい言葉も多いですが、
家づくりを考えられている方にとっては、
触れることの多いワードです。
ZEHは NET ZERO ENERGY HOUSE(ネット ゼロ エネルギー ハウス)の略。
持続可能でない住宅産業の構造に終止符を打つべく導入されました。
国は2030年までに新築住宅の平均がZEHになることを目指していて、
環境省・国土交通省・経済産業省が連携して、支援事業に取り組んでいます。
ZEHでは「住宅が消費する一次エネルギー」を設計時に算出します。
*「一次エネルギー」は、火力や水力、太陽光などの、自然から得られるエネルギーの原料となるもの。
*「二次エネルギー」は、電気、ガス、ガソリンなど加工して作り出されるもの。
同一の単位で数値を使える一次エネルギー量で基準値を表します。
そして、消費する一次エネルギーを上回る量のエネルギーを、
太陽光などの自家発電によって創り出せるように設備を導入します。
「年間の創出エネルギー量」が「年間の消費エネルギー量」を
上回ることができれば、
消費するエネルギーは実質ゼロということになります。
簡単に言えば
使うエネルギー≦創るエネルギー
これがZEHの基本的な考え方です。
そのために家づくりで重要なのは
外皮を強化して、省エネルギー住宅にすること。
加えて、給湯器などを高効率な機器にして、省エネルギー化を図ることです。
「外皮」とは、外壁・屋根・床・窓などのこと
「強化」とは断熱性を高めること
ZEHには、光熱費以外にも健康面など様々なメリットがあります。
・家中の温度差がかなり小さくなる(快適な室内空間)
・壁内での結露も発生しにくくなるので、建物自体の耐久性が上がる
・窓周りの結露が無い(樹脂サッシ使用の場合)
・カビの発生を抑え、その結果、ダニやウィルスを抑える
・アレルギーや気管支疾患などに改善が見られる
(※詳しくはHEAT20や近畿大学の岩前篤教授のサイトを参照ください)
太陽光発電などの創エネ設備を導入せず、建物の断熱性能を
ZEHで定められた数値と同等もしくはそれ以上にした建物について
「ZEH基準の断熱性能」という表現が一般的に使われています。
この性能が備わっていれば、上記のようなメリットを受けられますので
住宅選びの際、ひとつの基準として考えていただけたらと思います。
ZEHについては、国からの補助金制度もあります。
この制度を利用するには、申請のタイミングなど条件もたくさんありますので
余裕をもって計画をすすめることをおすすめします。